コースの刈り上がりについてはっきりしていること、それは万能薬は存在しないということです。刈り込んだ後がどんな印象を与えるかは、実に多くの要因に支配されており、これさえやっておけばどのコースでもいつでも必ず成功するという秘訣はありません。そもそもターフのコンディションは場所ごとに異なっています。だからこそ、トロでは Reelmaster® フェアウェイモアのために、イメージ通りの刈り込みを行うための、さまざまな調整が可能なアタッチメント類を提供しているのです。
刈り上がりの印象を調整すると言っても、そこには多くの要因が絡んでおり、また、一つ一つの状況にプラス面とマイナス面が存在します。しかし経験的に確度の高いルールも存在します。ここでは理想的な仕上がりを達成するためのそんな原則をいくつかご紹介しましょう。
リールの直径は?
最高の刈り上がりを実現するための最初のスタートポイントはターフそのもの。どんなターフですか?暖地型芝草ですか? それとも寒地型芝草?一般的に、5″(127 mm)リールは寒地型芝草用、7″(178 mm)リールは暖地型芝草用とされています(硬くて密度の高い暖地型芝草には直径が大きくて重いリールを使う方が芝面にしっかりと食い込んでクリーンなカットができるとされています)。
刈り込み時の踏圧を低く抑えたいとか、5″ リールで刈高 12.7 mm 以下の低刈りをしたいという場合、年月の経過とともに芝目やサッチが目立ってくる可能性を頭に入れておく必要があります。特に暖地型芝草の場合ではこの傾向が顕著になります。芝目やサッチが出ると、刈り込み後の見映えが低下する可能性があります。
暖地型芝草で、刈高を 19 mm 以下で管理したい場合には、7″ リールの方がベターです。刈りかすを前方向に放出する場合でも後方向に放出する場合でもきれいに分散させられます。また、直径が大きいので回転トルクが大きく、オーバーシードの準備やバーチカットにも利用が可能です。
リールでラフ刈り(特に刈高 25.4 mm 以上)を行う場合には、7″ リールがおすすめです。
8 枚刃? それとも 11 枚刃?
刈高が 12.7 mm またはそれ以上ならば 8 枚刃がおすすめ、6.3 mm-19 mm の範囲ならば 11 枚刃がおすすめです。どちらも可能で迷う場合には、刈り込み速度を基準に選びましょう。平均よりも遅めの速度で刈り込みを行うなら 8 枚刃リールがおすすめですし、平均よりも速めの速度で刈り込みを行うなら 11 枚刃リールがおすすめです。
ラジアルリール? それとも前傾刃リール?
最初に申し上げた通り、一概に言えないところがあるものの、どちらを選ぶべきか迷うようであれば、カッティングユニットをぶつける確率を見るのがよいでしょう。一般的には、衝撃を受けた時にリールの直径が伸びないラジアルリールの方が衝撃によるダメージを受けにくいとされています。ラジアルでは、刃がリールの中心から放射状に真っ直ぐ 伸びているため、異物にぶつかった場合にリール刃が半径方向に、リールの中心に向かって真っすぐに押し戻されるので下刃を傷つけにくいのです。一方、前傾刃の場合は、異物にぶつかった場合にリール刃が半径方向に伸びる可能性があり、そうなると下刃を傷つける可能性が高くなります。
ヤードマーカー、スプリンクラー、木の根、カートパスなど刈り込み中にぶつけたり引っ掛けたりする異物が多いコースでは、ラジアルリールの方が安全度が高いでしょう。一方、異物に当てる心配が大きくないコースでは、ラジアルリールよりもややアグレッシブなカット(実効刈高が低くなるカット)が可能が前傾刃リールが向いているかもしれません。特に暖地型の芝草の場合で、低刈をする場合には検討の価値があります。前傾刃は、ラジアル刃よりも刃先の鋭利な状態が長く維持される傾向があります。これは前傾刃を使用する場合のメリットと言えます。
その他の検討事項
以上あげた一般的な方針以外に、トロの EdgeSeries™ デュアル・ポイント・アジャストメント(DPA)カッティングユニットは、草種やコースに合った様々な調整が可能です。また、各種前ローラ、後ローラ、ブラシ、グルーマ、その他様々なアタッチメントにより、最高のクオリティを実現することができます。
より詳しい情報は
カッティングユニットの保守整備や調整についてのご質問は、お近くの弊社ディストリビュータにおたずねください。